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緩和ケア医になるための教育を受けた緩和ケア医が出て来ている

緩和ケア医は従来は、多様な科の出身者が多かったです。

いや、今もそうでしょう。ベテランはほとんどそうです。

別の科の医師としてキャリアを積む中で、どこかで症状緩和の必要性に気が付き、緩和ケアを学んでいった医師が多かったのです。

ただ最近は、大学病院でも「緩和ケア医になるためのプログラム」を整備するところが出て来ており、すると内科や腫瘍内科などで研修を積んで、緩和ケア医となるような場合もあります。

若手の中に、いわば「緩和ケア医になるためのプログラム」で緩和ケア医となった存在が出てきたことは、良いことだと考えます。

それは緩和ケア医に必要な要素を学んで、専門家になっていくからです。

緩和ケア医に必要な能力の1つとは何でしょうか?

 

全身を診るという緩和ケアの重要な役割

それは全身を診ることです。

緩和ケア医になるためには、特定の科の知識だけではなく、全身への広範な理解が必要になります。

例えば、がんが進むと、電解質の異常が進んで、症状が出たりすることがあります。

がんの患者さんが急にボーっとした場合も、考えられる原因は山ほどあります。

それをしっかり鑑別して、正答にたどり着く必要があります。

そのためには、もともと主業としていた科だけの知識では不十分です。

あるがんの患者さんが最近急にもうろうとしたとのことでした。

私が緩和ケア医として関わっている患者さんだったので、診察したところ左半身に軽度麻痺を認めました。すぐにMRIをお願いしたところ、脳梗塞が発症していました。

担当の先生の中では脳梗塞は鑑別にあがっていなかったようなので、良かったです。

脳梗塞の診断が遅れてしまう可能性がありました。

 

全身管理のために緩和ケア医という内科医を入れる

最近の緩和ケアの医師は、内科の研修を積んで緩和ケア医となるケースが増えて来ています。

優劣ではなく、得意分野の問題で、私はこの傾向は良いことだと考えています。

それは先程あげた緩和ケア医は全身を診られることの他に、全身管理にも長けている必要があるからです。

医師はそれぞれ専門があります。

例えば、口腔外科や耳鼻科、泌尿器科、婦人科等はそれぞれの器官のプロフェッショナルです。

その点では、内科医は全身を診て、全身に負担をかけないような治療を調整するプロフェッショナルとも言えます。

抗がん剤の副作用対策に関しても、内科的な知識は生かされます。

それは、副作用は全身に出現するからです。

例えば、抗がん剤のシスプラチンは大量の輸液が必要となります。

もともと心機能が低下しているような病態がある患者さんは、輸液の内容や量によって容易に心不全となってしまう場合もあります。

そうすると、心不全の加療も必要となります。

このように、ある治療が別の問題を引き起こしうることが、特に全身状態が悪い患者さんや、ご高齢の患者さんの場合では、しばしばあるのです。

したがって、絶妙に全身の治療を調整する必要があります。

間質性肺炎を起こすがん治療薬もありますし、がん治療の内容によっては感染を起こしやすく肺炎を起こすこともあります。

しっかり胸部X線所見を読めることなども、早期発見につながります。

このような全身管理の技術は、研修医の時期に少し内科をまわっただけでは、なかなか身につきません。

専門科の担当医の他に、全身管理ができる内科医としての緩和ケア医をつけることは、問題を防ぐことになり、まさしく予防の緩和ケアといえ、大切な早期緩和ケアと言えるでしょう。

 

まとめ

医師は万能ではありません。

特定の器官の専門家(担当医)だけでは、全身管理の手が及ばないこともあります。

それなので、内科領域に精通している緩和ケア医の協働が重要となります。

実際、私も大学病院在職時に、そのような目的も兼ねて依頼してくださった各領域の専門家の先生が多くいらっしゃいました。

各専門科の先生も、全身管理にはなかなか難しさを感じているケースも多いことは見聞しています。

緩和ケア医は、患者さんやご家族だけではなく、医師にとっても重要なパートナーであり、すべては患者さんのメリットとなるために動くのです。

 

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About 大津 秀一

緩和医療専門医/緩和クリエーター。数千人の患者さんの緩和ケア、終末期医療に携わり、症状緩和のエキスパートとして活動している。著書や講演活動で、一般に向けて緩和ケアや終末期ケアについてわかりやすくお伝えすることをライフワークとしている。