緩和ケア・緩和医療の名医ランキング(病院・クリニック
)
上記のようなランキングはないか調べてみました。
と申しますのは、緩和ケアの病院ランキングは、皆さんインターネットで検索しているためです。
その人版があるかどうかということですね。
ただし、以前下の記事で触れたように、
緩和ケアのランキングは正当性があるものを作るのが困難です。
その理由は、手術の成功率のような客観的な指標だけでは測れないためです。
調べると、特に該当するものは見つかりませんでした。
当然と言えば、当然ですね。
緩和ケアの名医とは?
上記のような検索をされる方は、実際に患者さんを診る力を求めて検索されているのだと思います。
一般的には、「専門分野の能力」と「患者さんやご家族への診療姿勢・コミュニケーション能力」が双方とも高ければ、良い医師と感じられるでしょう。
これらの要素を兼ね備えている医師は、緩和ケア分野における良医とは言えそうです。
一方で、ここが非常に難しい点なのですが、私が知っているこれらの力がある医師は必ずしも有名ではありません。
有名であるから、実際に臨床医として良いとは限りません。
これはどんな医師が有名になるかを考えればわかります。
患者さんを診る能力では有名になれない
患者さんを診療する力の評価は極めて難しいのは以前も下記で述べました。
そのため、評価は別の客観的なところで為されます。
それは例えば次のようなものがあります。
◎研究分野の実績(論文の数や質)
◎教育分野の実績
◎緩和ケア以外の分野での活動
これらに秀でていると、どれも客観的な量と質の評価がしやすいので、有名になります。
けれども個々の診療は、診療を行っている地域を超えてすごさが広がるということはめったにないため、臨床能力自体はなかなか知られず、したがって評価されにくいというきらいがあります。
有名であることと、臨床能力があることははっきりいって別物です。
それではどう名医を探すか?
下記でも書いてきましたが、評価に受け手の主観が関係する緩和ケアの名医を決めるのは容易ではありません。
ただ、「対患者さんやご家族とのコミュニケーション能力が高いこと」は基本的な素養ではありましょう。
そのため、まずは何でも質問し、それに誠実に対応してくれるかで、ある程度推し量れる部分もあるでしょう。
「鎮静についてどう思いますか?」
と尋ねてみるのも意外に有効かもしれません。
「しません」「必要ない」「なにそれ?」と言うような医師は、本当の緩和ケア医ではない可能性があります。
もちろんその理由をしっかり話してくれるのならば良いですが、「これまで必要なかったため」「私の緩和ケア技術を使えばそのような行為は不要」「在宅の患者さんには必要ない」というような答えが返ってくるような場合は、黄信号です。
基本的には、バランスの取れたケース・バイ・ケースで対応してくれることが、多様な価値観の患者さんと接する緩和ケア医においては一つの大切な要素と考えられ、上述のような回答はある価値観への固着を示唆するもので、緩和ケア的な要素からやや遠いとは言えましょう。
名医的な紹介で出てくる医師はしばしば臨床以外で評価されている(評価が難しい臨床能力以外で評価するしかないため)ので、あてになりません。
実際にかかってみないと相性もわからないので、それが難点ですが、強い意志を持てば合わない医師を変えることも場合によっては可能でしょう。
名医ランキングは、残念ながら緩和ケア分野にはあったとしても、妥当性の高いものとは言えなさそうです。
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