2019年現在もまだよく理解されていない早期緩和ケア
早期緩和ケア外来で何が行われているのかが、あまりイメージが付かない方も少なくないようです。
それに対して、「アクティブ緩和ケア」の提唱者で、時代に先駆けた活動を行っておられるがん治療医『がん治療の虚実』の押川勝太郎先生が下記の図を紹介されています。
さすがと言うべきでしょう、早期緩和ケアの中に含まれる様々な要素が多様な言いかえによって表現されています。
確かに、私の外来においても、上記のいずれかのような要素を1つかあるいは複数、提供しています。
押川先生にご快諾を頂戴し、それらを紹介することにしました。
第三夜の今日は、「セカンドオピニオン・サードオピニオン外来」です。
有料治療再解説科
押川先生流のセカンドオピニオンの面白い言いかえが、有料治療再解説科です。
セカンドオピニオンは納得をして治療に進むために重要なプロセスです。
セカンドオピニオンでは、自費診療である半面、一般の外来よりは時間を取って望ましい治療について解説してくれます。
早期緩和ケアには、がん治療も含まれます。
と申しますのは、がん治療も腫瘍の縮小・除去・消滅から症状緩和に寄与するからです。
実は早期緩和ケアの観点からは、がん治療と緩和ケアの垣根は薄くなり、一部は合一しています。
一方で「緩和ケアの視点」というものは紛れもなく存在します。
それは、命の長さを重視しますが、より生活の質や、生きがい等を重視するという点です。
それなので、がん治療医の医師が早期緩和ケアを提供する場合と、緩和ケア医が早期緩和ケアを提供する場合では、良しあしではなく、上下でもなく、視点が少しだけ違うということもありうるでしょう。
セカンドオピニオンは「絶対の正解を見つける」というよりも、多様な視点からのベストを聴いて、ご自身にとっての最良を見つけるものです。
つまり、力量ある専門家からであれば、複数聴いてみることも十分考えられます。
セカンドオピニオンだけではなく、サードオピニオンやフォースオピニオンを求められる方もいらっしゃいますね。
ただし、
× たくさん聴きすぎても路頭に迷うかもしれない
× 特殊な治療を勧めるオピニオンに影響されると大変な目に遭う可能性も
という問題点もあります。
私の早期緩和ケア外来では「どこの、あるいは誰のセカンドオピニオンを求めるのが良いのか」も一緒に考えます。
極度に怪しいオピニオンを求めて執心してしまうと、結果が大変なことになってしまうとも限らず、助言と支援が必要です。
系列の病院だと忖度したオピニオンが出がちなどの問題もありますね。
なかなかその判断は専門家ではないと難しいと考えます。
セカンドオピニオン等を上手に活用することは、より病気と向き合うきっかけになります。
そのプロセスを通して、患者さんやご家族を支援するのも、早期緩和ケア外来の重要な役割です。
まとめ
緩和ケア医はがん治療にも詳しいですが、がん治療そのものというよりは、症状緩和と生活の質や生きがいを一緒に考えるプロフェッショナルです。
セカンドオピニオンは治療に立脚した視点で当然為されますが、生活の質等の観点も非常に重要です。
その点では、がん治療医だけではなく、緩和ケア医にセカンドオピニオンを求めてみるというのは良い方法であると考えられます(ただ施設ごとに差異あり)。
また、緩和ケアはがんに限りませんから、老衰や認知症の場合に、何をどこまで治療するか(あるいはしないか)のセカンドオピニオンを求められるのも、緩和ケア医です(ただし施設によります)。
早期緩和ケア外来は、特に生活の質等の観点から、治療側の視点とは異なったセカンドオピニオンが聴けるということは知っておかれても良いでしょうし、それで例えば当所を利用される方もおられます。
良い活用法だと考えます。
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