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2019年現在もまだよく理解されていない早期緩和ケア

早期緩和ケア外来で何が行われているのかが、あまりイメージが付かない方も少なくないようです。

それに対して、「アクティブ緩和ケア」の提唱者で、時代に先駆けた活動を行っておられるがん治療医がん治療の虚実』の押川勝太郎先生が下記の図を紹介されています。

押川勝太郎先生による早期緩和ケアの内容説明

さすがと言うべきでしょう、早期緩和ケアの中に含まれる様々な要素が多様な言いかえによって表現されています。

確かに、私の外来においても、上記のいずれかのような要素を1つかあるいは複数、提供しています。

押川先生にご快諾を頂戴し、それらを紹介することにしました。

早期緩和ケアを知る七夜 第1夜 がん・全病哲学外来

早期緩和ケアを知る七夜 第2夜 精神苦痛緩和ケア

早期緩和ケアを知る七夜 第3夜 セカンドオピニオン・サードオピニオン外来

第四夜の今日は、「治療の意味・探索支援科」です。

 

 

治るうちは、それほど顕在化しない悩み

最初に断っておきますが、今現在治らないがんもそのうち革命的な治療ができて治るようになる可能性があります。

したがって、たとえ治らないがんにおいても、長生きをすれば、新しい治療を受けられる可能性があるのです。

その点で、がんが高度に進行していて、一般に治療以外に考えるべきことが多々あるという状況を除き、基本は治る治療が現れることを待つために長生きするという希望は十分考えられることです。

ある意味、延命的に働く早期緩和ケアの目標の1つも、例え今は治らないがんであっても、長期生存にて新治療の出現と出会えること、とも言えるかもしれません。

希望は捨てる必要はありません

 

一方で、長期治療は様々なことを考えさせる

ただ一般に、治りがたい病気の治療においては、治ることを願いつつも、病勢をコントロールし、生活の質が保たれた長期生存を目指します。

重要なのは、それはあくまで治療の目的であって、治療を使ってどうするのかという話ではない、ということです。

治療には副作用を伴います。

その副作用を負って生きるので、できればその時間は悔いがなく充実したものであれば、それに越したことはないでしょう。

ただ長期の治療は、時として患者さんに様々な悩みをもたらします。

副作用等が非常に軽ければ問題ないのですが、特にそれが強い場合は一般に苦悩は深くなります。

その中の1つは、「こうやって治療することにどのような意味があるのか」という悩みです。

生きる意味は人それぞれです。

治りがたい病気の、副作用を伴う治療は、生きる意味という問いへの直面化を招きます。

もちろんそれを通して、真に大切なものを見つけられる方もいます。

特にお子さんがおられるような場合は、見つけやすい側面もあるかもしれません。

一方で、「なんで生きるのか?」という問いに、答えが見つからない場合や、否定的な気持ちしか持てない場合もあるでしょう。

もちろんうつ病などが影響している場合もありますが、そうではなくてもスピリチュアルペインという存在にまつわる問いやつらさを感じうるのです。

一般の外来ではそこまで話し合うことは多くないでしょう。

またそもそも、時間の制約がそれを難しくさせます。5分や10分ではなかなか落ち着いて話せませんし、医師には次の患者もいるという思いが気がねを招きます。

早期緩和ケア外来においては、このような治療を通して、どう生きるのか、この負担を伴う治療の意味は何なのかまで踏み込んで(希望に応じて)話し合います

こうして、治療の意味を探索することを支援するのです。

 

 

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About 大津 秀一

緩和医療専門医/緩和クリエーター。数千人の患者さんの緩和ケア、終末期医療に携わり、症状緩和のエキスパートとして活動している。著書や講演活動で、一般に向けて緩和ケアや終末期ケアについてわかりやすくお伝えすることをライフワークとしている。