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話者によって異なる早期緩和ケア

早期緩和ケアはまだ「いつからか」あるいはその内容等が完全に確立されているわけではありません。

けれども、早期緩和ケアとは何か、ということが少しずつ表明されてきています。

例えば昨年のこの論文

Defining the Elements of Early Palliative Care That Are Associated With Patient-Reported Outcomes and the Delivery of End-of-Life Care.(英語)

においても、ストレスのコーピングや、症状緩和治療の意思決定アドバンス・ケア・プランニングなどが早期緩和ケアの要素として挙げられています。

確かにいずれも重要な緩和ケアの働きですね。

 

生存期間に対する好影響が再び示される

昨年、早期からの緩和ケアに関するメタアナリシスが発表されました。

Early Palliative Care for Improving Quality of Life and Survival in Patients with Advanced Cancer: A Systematic Review and Meta-analysis.(英語)

生存期間への影響も見ている複数のランダム化比較試験の分析です。

毎度のごとく、早期から緩和ケアを併用した群において、生活の質が有意に改善したのは当然としても、症状も軽くなり、抑うつも改善傾向が認められました

進行例が含まれるため、12ヶ月後の生活の質や抑うつでは有意差が消失しました。

全般的には、組み入れられる研究の少なさや、エビデンスの強さ(とても弱い~中等度)は論文著者によっても言及されています。

とは言うものの、29%の死亡リスク減少【OR=0.71, 95% CI 0.51-0.99, P=0.04】と示されたことは興味深いです。

 

緩和ケアの本道が生活の質の改善であることは変わらない

緩和ケアの本道は、生活の質の改善であることは間違いありません。

上記の研究でも、早期からの緩和ケアで、生活の質、症状マネジメント、抑うつに好転が認められたことは、それだけでも緩和ケア併用の効果を示すものです。

しかし再び、生存期間への好影響が示されていることも、特筆すべきです。

単なる心身の症状マネジメントに終始せず、ストレスのコーピングや治療の意思決定、アドバンス・ケア・プランニングが組み合わせて提供されることで、正しい選択を支援し、生存期間延長に寄与する可能性が示されていると見るべきでしょう。

 

 

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About 大津 秀一

緩和医療専門医/緩和クリエーター。数千人の患者さんの緩和ケア、終末期医療に携わり、症状緩和のエキスパートとして活動している。著書や講演活動で、一般に向けて緩和ケアや終末期ケアについてわかりやすくお伝えすることをライフワークとしている。