私は一切在宅ケアを考えていないので、緩和ケア病棟だけで良いです
「私は悪くなったらすぐに緩和ケア病棟に入ります。
それなので在宅ケアは要りません。
家族も家で看られないと思うんです。
家に人を入れるのもあまり好きではないし。
家族に迷惑をかけるのも本意ではありません。
それなので、即緩和ケア病棟に入ります。
だから在宅医は頼まなくて大丈夫です。
そのために早めに緩和ケア病棟にアクションしておきたいのです」
そうおっしゃられる方もいますね(上記は実例ではなく、いくつかを組み合わせた一例です)。
確かにお気持ちはよくわかります。
これ、皆さんはどう思われますか?
これで大丈夫(望みは叶う)と思われますか?
相手の立場を知ることは大切
国がホスピス・緩和ケア病棟の入院短縮に舵を切っていることを以前述べました。
下記は目を通しておかれると良いでしょう。
それなので、ホスピス・緩和ケア病棟で働いている医療者の思いはともかくとして、長期入院が以前よりも容易ではなくなっています。
いったん良くなると、場合によっては退院を勧奨されることもあるでしょう。
ホスピス・緩和ケア病棟によっては、私の知るところによると、「在宅医を入れてから当院の予約をしてください」と言われたというケースもあります。
ただこれは病棟の都合ばかりではなく、在宅ケアや在宅医を入れることの一定の利点からでもあります。
それはできるだけ家にもいたいという願いを叶えられる
亡くなる時は、ホスピス・緩和ケア病棟がいい。
でもそれまではできるだけ家にいたい。
家族との時間も取りたい……。
そうおっしゃる方も少なくありません。
一方で、次第に衰弱は進みますから、緩和ケアの外来も含めて病院の外来受診は困難になります。
緩和ケア病棟の入院には、ある程度の期間がかかることも多いです。
その際に、在宅医や在宅ケアが入っていることで、できるだけ家にいられ、安心して緩和ケア病棟入院まで過ごすことができます。
もし在宅医が入っていないと、一度他の病院に入院せざるを得ないかもしれません。
すると緩和ケアの施設ごとの差異が問題になります。
実際、それで大変な思いをされた……という経験も漏れ聞きます。
最終ラインの抗がん剤になったら、早め早めに在宅医を「並行して」頼みつつ、緩和ケア病棟やホスピスへのアクションを開始することが肝要で、3面作戦(?)になります。
適時に着手するためにこそ、在宅や緩和ケア病棟をよく知る緩和ケア医に相談できる早期緩和ケア外来に定期的にかかり、助言を受けることが有効なのです。
そして、うまく緩和ケア病棟を利用するためにこそ、在宅医や在宅ケアが必要になることも多々あるという事柄は知っておいても良い情報でしょう。
がんになっても、なっていなくても1分でも長生きする方法を本にしました。
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緩和ケアは継続的な早期からの定期受診が重要です。ぜひご覧ください。
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