リクエストを頂戴したので、愛知県の緩和ケア情報を追加します。
今から23年前、私は当時地面と同じ高さだった岐阜駅に降り立ちました。
柳ヶ瀬はまだ栄えていました。
しかし(居住するまで知らなかったのですが)岐阜市は愛知県からとても近く、愛知や三重のほうが相対的にはレジャースポットが多く、友人や先輩に誘われて行く機会は頻々とありました。
一宮市や、名古屋市もよく行く機会がありました。
「ラーメンに行くぞ」と連れて行かれてなかなか着かず、「どこに行くの?」と尋ねると、当時岐阜にはなかった名古屋市にある『ラーメン横綱』。
懐かしい思い出です。そんな同級生や先輩も、今は愛知県等の東海地方を中心に活躍しています。
愛知県は医師数は少なく人口は上位
愛知県は人口あたりの医師数は意外にも全国平均より少ないです。
各地方のトップ都市で比較すると、一番少ないです。
ご覧いただけるとわかりますが、医師数は西高東低です。
東海地方も、全県医師数は平均割れしています。
それより以西は総じて医師数が多めであることを考えると、滋賀県や岐阜県、あるいは三重県あたりがその分水嶺と言えますでしょう。
愛知県は約753万人の人口を擁し、全国では4位と非常に人口が多い県です。
人口あたりのホスピス・緩和ケア病棟数は少ない
日本ホスピス緩和ケア協会の最新統計によると、
緩和ケア病棟入院料を取っている緩和ケア病棟・ホスピスは、全国に403施設、8197床あります(平成30年6月)。
現在人口は1億2649万人います。
1床がカバーしている人口は1億2649万÷8197で、15431人となります。
全国平均では、ホスピス・緩和ケア病棟がカバーする人口は1床で15431人となるのです。
愛知で計算してみましょう。
愛知の人口753万人を、愛知県の緩和ケア病床数の359で割ってみます。
結果は、1床で20967人。
全国平均より少ないベッド数です。
東海三県で比較すると、岐阜は1床15462人とベッド数は全国平均とほぼ同じ。三重県は1床11688人と、人口あたりのベッド数は多いことになります。
緩和ケア病棟で亡くなる人の割合は高い
「データでみるわが国の緩和ケアの現状」の2014年版がオンラインでも閲覧できます。
それによると、愛知県は、緩和ケア病棟で死亡したがんの患者さんの割合が12.5%と全国平均9.4%より多いです。ベッド数が相対的に少ない中で、効率的に運営されていることが見て取れます。
同統計で、がんの場合の自宅死亡割合(7.2%。全国は8.9%)は全国平均よりやや低く、人口10万人対の在宅療養支援診療所は8.0(全国では10.1)とこれも全国平均よりやや少ないです。
緩和ケア病棟やホスピスは東海道線の沿線に比較的多く存在しています。
緩和ケア外来はどうか?
「緩和ケア外来 愛知」で検索すると、いくつかヒットします。
症状緩和目的の外来を併設していると読み取れる医療機関は、下記になります(Googleで3ページ目まで検索。入院予約外来のみの緩和ケア外来、訪問診療のみのクリニックは除く)。
緩和ケア外来 | 愛知県がんセンター 愛知病院
緩和ケアセンター | 愛知県がんセンター中央病院
緩和ケアセンター | 愛知医科大学病院
緩和ケアチーム・緩和ケア外来 | 中部ろうさい病院
緩和ケア外来 | 一宮市立市民病院
緩和ケア | 岡崎市民病院
緩和ケア相談外来 診療内容| 総合上飯田第一病院
緩和ケア外来|小牧市民病院
緩和ケア病棟|名古屋掖済会病院
緩和ケア |半田市立半田病院
緩和ケアチーム | 藤田保健衛生大学病院(愛知県豊明市)
緩和医療センター|安城更生病院
緩和ケア外来に関しては、大病院を中心によく配置されているようです。
また、愛知県のがん診療連携拠点病院等の一覧は下記になります。
調べると、ほとんどの病院が緩和ケア外来を有しています。
ただ名古屋大学のように化学療法部内に緩和ケア部門がある病院もあるため、診療科一覧では緩和ケアの名前が出てこない病院もあり、そのような場合はやや見つけづらいです。
なお、緩和ケア外来がかかりつけ病院等にあるかどうかは、インターネットで「(病院名) 緩和ケア外来」と検索することで調べることができるでしょう。
また病院のホームページで、(多くの場合)診療科→緩和ケア、と読み進めることで見つけることができます。一覧にない場合は、先述したように「(病院名) 緩和ケア外来」で検索してみてください。
病院によっては診療サポート部門に位置づけられていることもありますので、くまなく見る必要があります。
まとめ
愛知県は人口あたりの医師数は、少ないです。
緩和ケア病棟やホスピスも(人口あたりでは)多くありません。
同病棟で最後の時間を過ごされる方は全国平均より多いです。
愛知県においても、緩和ケア病棟やホスピスが、終末期がんにおいて力を発揮していることが透けて見えます。
がんの患者さんは在宅療養で最後まで生活される方は全国平均より少なく、在宅支援診療所もやや少ないです。
病院に関しては、緩和ケア外来は拠点病院等に比較的広く存在します。
がんで病気が高度に進行した際は、在宅医のサポートを付けて、緩和ケア病棟に入院予約をするのがベスト(個人的意見)ですが、居住地によって、誰にどのように頼むかによって、様々なことが変化します。
愛知県にも緩和ケアに熱心に取り組まれている在宅療養支援診療所があり、当所でも療養場所の相談調整を受け付けています。
※追伸;愛知県の医療従事者の方で、情報の追加や修正がある場合はぜひお声をお寄せください。
★診療のサイト
★緩和ケアの情報をわかりやすくお伝えするサイト
よかったら、いいね、フォロー等よろしくお願い申し上げます。
★メルマガ「苦しみが軽くなるメールマガジン」登録はこちらからです。ご登録をお待ちしております。
※『緩和ケアちゃんねる』(YouTube)を立ち上げました。
ぜひチャンネル登録・ブックマークよろしくお願い申し上げます。