国立がん研究センターが、若年層いわゆるAYA世代に発症しやすいがんの種類の年代別分析をまとめたそうです。
20代は卵巣がんや精巣がんが多く、30代では乳がんだったとのこと。
30~39歳では、女性の乳がんや子宮頸(けい)がんが1位・2位で、大腸がんが5位です。
ただ、1位の乳がん(22%)と、2位の子宮頸がん(13%)では本当にざっくり言えば乳がんのほうが2倍程度多いとも言え、確かにそれは実感されます。
どの世代においても、人生の課題の途上でご病気になるわけですから、容易なことではありません。
ただ確かに、この年代はとりわけ人生の様々なイベント(就学・就職・結婚・出産等)を擁していることが多いため、精神的・社会的な支援の重要性は強調してし過ぎることはないと存じます。
頻度としては多数派に属さないですから、相談する相手もけして多くなかったり、
「なぜ若いのに自分が」というつらさに早い段階から直面しうるものだと思います。
抗がん剤治療を受けるケースも多いでしょうから、治療にまつわる副作用や不安などへの対処も重要となります。
先ほどの乳がんや子宮頸がんで言えば、治療に関連して、あるいは病気の高度進行期は、むくみ(リンパ浮腫)を形成することがあるため、その対応も大切です。
乳がんはうつ病の頻度が無視し得ないことが指摘されています。
「不安や抑うつ状態は術後1~2年以内の患者では10~30%、再発後の患者では40~50%程度」と最初のリンクにもありますね。
積極的なうつの治療が必要な状態で紹介されてくることも稀ではありません。
配偶者の方や、多くの場合幼少なお子さんたちへの配慮も欠かせないです。
以上のように、緩和ケアとしても取り組むべきところ大であるがん種であるということが言えるでしょう。
もちろんここにまとめたのは一部だけで、個々人ごとにもっと配慮すべき点は様々に存在します。まずは問題点をしっかり聴いて、対策を考える必要があります。
患者さんやご家族へのご助言としては、とにかく抱え込まず、なんでも医療者に相談する、それが第一歩だと考えます。ぜひそうして頂ければと思います。