北海道函館市を舞台にした漫画『はっぴーえんど』<魚戸おさむ作>(在宅緩和ケア医が活躍)を監修中です。
なお写真は道東の標津町の風景です(今夏撮影)。
ここを通って行った川北温泉は良い湯でした。
北海道の緩和ケアに関してデータを見てみます。
目次
- 北海道は医師数は全国平均。ただ面積あたりでは最少
- 人口あたりのホスピス・緩和ケア病棟数は平均的
- 緩和ケア病棟で亡くなる人の割合はやや多い
- 緩和ケア外来はどうか?
- 緩和ケア外来 | 北海道大学病院腫瘍センター
- 緩和ケア外来|社会医療法人 恵佑会札幌病院 北海道 札幌市
- 北海道消化器科病院|各科紹介 | 緩和ケア内科
- 緩和ケア内科 – 北海道がんセンター
- ホスピスケアセンター | 公益社団法人 北海道勤医協中央病院
- 緩和ケア内科/市立札幌病院 – 札幌市
- 札幌厚生病院 | 緩和ケア内科 – JA北海道厚生連
- 緩和ケアセンター – 札幌共立五輪橋病院
- 緩和ケア科-国立病院機構 函館病院
- 緩和ケア内科 – 時計台記念病院
- 緩和ケア外来について | 勤医協西区 ひだまりクリニック 札幌 西区
- 緩和ケア外来 – 釧路ろうさい病院
- 【緩和ケア科】一条通病院 – 道北勤医協
- 旭川医科大学病院 緩和ケア診療部
- まとめ
北海道は医師数は全国平均。ただ面積あたりでは最少
北海道は人口あたりの医師数は全国平均とほぼ同等です。
北海道は面積が断トツの日本一なので、面積あたりの医師数は日本で一番少ないです。
さらにその中でも、上記のリンクにあるように、二次医療圏別で見ると、最高の上川中部圏(旭川など)と最低の根室圏では約3倍の格差があるそうです。
北海道は約532万人と全国では上位に位置する(8位)人口を擁しています。兵庫(7位)と福岡(9位)の間の人口です。
人口あたりのホスピス・緩和ケア病棟数は平均的
日本ホスピス緩和ケア協会の最新統計によると、
緩和ケア病棟入院料を取っている緩和ケア病棟・ホスピスは、全国に403施設、8197床あります(平成30年6月)。
現在人口は1億2649万人います。
1床がカバーしている人口は1億2649万÷8197で、15431人となります。
全国平均では、ホスピス・緩和ケア病棟がカバーする人口は1床で15431人となるのです。
北海道で計算してみましょう。
北海道の人口532万人を、北海道の緩和ケア病床数の490で割ってみます。
結果は、1床で10857人。
全国平均より多いベッド数です。
全道490床のうち、札幌市が308床と半数以上(63%)を占め、函館市が55床、旭川市が34床、室蘭市は22床、北見市が20床、洞爺湖町が18床、苫小牧市が15床となっています。
(※ただ何度か計算しましたが、総数が472床です。がん情報サービスでは総計21施設ですが、日本ホスピス緩和ケア協会のホームページには22施設とあるので、新たな緩和ケア病棟が1施設18床で加わったのかもしれません)。
緩和ケア病棟で亡くなる人の割合はやや多い
「データでみるわが国の緩和ケアの現状」の2014年版がオンラインでも閲覧できます。
それによると、北海道は、緩和ケア病棟で死亡したがんの患者さんの割合が11.6%と全国平均9.4%より多いです。
面積の広さを考えると、なかなかすごい数値のように感じます。
同統計で、がんの場合の自宅死亡割合(4.0%。全国は8.9%)は全国平均の半分、人口10万人対の在宅療養支援診療所は5.4(全国では10.1)とこれも全国平均の半分程度です。
なお、緩和ケア病棟やホスピスは、札幌が多いと言えましょう。
札幌市の人口は195万人(参考;北海道の人口2.2%減の538万人 札幌の一極集中進む :日本経済新聞)で、北海道内の約36%の人口ですが、緩和ケア病棟は63%が存在するからです。
緩和ケア外来はどうか?
「緩和ケア外来 北海道」で検索すると、いくつかヒットします。
症状緩和目的の外来を併設していると読み取れる医療機関は、下記になります。
緩和ケア外来 | 北海道大学病院腫瘍センター
緩和ケア外来|社会医療法人 恵佑会札幌病院 北海道 札幌市
北海道消化器科病院|各科紹介 | 緩和ケア内科
緩和ケア内科 – 北海道がんセンター
ホスピスケアセンター | 公益社団法人 北海道勤医協中央病院
緩和ケア内科/市立札幌病院 – 札幌市
札幌厚生病院 | 緩和ケア内科 – JA北海道厚生連
緩和ケアセンター – 札幌共立五輪橋病院
緩和ケア科-国立病院機構 函館病院
緩和ケア内科 – 時計台記念病院
緩和ケア外来について | 勤医協西区 ひだまりクリニック 札幌 西区
緩和ケア外来 – 釧路ろうさい病院
【緩和ケア科】一条通病院 – 道北勤医協
旭川医科大学病院 緩和ケア診療部
(Googleで3ページ目まで検索。入院予約外来のみの緩和ケア外来、訪問診療のみのクリニックは除く)
緩和ケア外来は大病院を中心に整備されている印象があります。
また、北海道のがん診療連携拠点病院等の一覧は下記になります。
調べると、ほとんどの病院に緩和ケア外来が存在するようです。
しかし、緩和ケア外来の内容が明確に記載されていない病院もいくつかあります。
また診療科一覧に「緩和ケア」の表示がない病院も散見されます(そのような病院にも緩和ケア部門がありましたが、見つけるのがやや大変でした)。
ホームページの記載上は、札幌市以外では、外来がない拠点病院もあるように見受けられます。
なお、緩和ケア外来がかかりつけ病院等にあるかどうかは、インターネットで「(病院名) 緩和ケア外来」と検索することで調べることができるでしょう。
また一般的には、病院のホームページで、(多くの場合)診療科→緩和ケア、と読み進めることで見つけることができます。一覧にない場合は、先述したように「(病院名) 緩和ケア外来」で検索してみてください。
病院によっては診療サポート部門に位置づけられていることもありますので、くまなく見る必要があります。
まとめ
北海道は人口あたりの医師数は全国平均ですが、面積あたりの医師数は(当たり前ですが)全国最低です。
緩和ケア病棟やホスピスは(人口あたりでは)多いです。データから見ると、札幌に集まっている傾向があります(人口は36%に対し、緩和ケア病床数は63%)。
同病棟で最後の時間を過ごされる方も全国平均よりやや多いです。
がんの患者さんは在宅療養で最後まで生活される方は全国平均の半分以下です。在宅支援診療所も全国平均の半分程度です。
病院に関しては、緩和ケア外来の整備は拠点病院などで整備されています。
がんで病気が高度に進行した際は、在宅医のサポートを付けて、緩和ケア病棟に入院予約をするのがベスト(個人的意見)ですが、居住地によって、誰にどのように頼むかによって、様々なことが変化します。
当所でも療養場所の相談を受け付けています。
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