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早期緩和ケアでどんなメリットがあるのか7回で徹底解説

早期緩和ケアのメリット、これまでの5夜で説明してきています。

それに含まれる意味や受けられる内容は非常に豊富なのです。

早期緩和ケアを知る七夜 第1夜 がん・全病哲学外来

早期緩和ケアを知る七夜 第2夜 精神苦痛緩和ケア

早期緩和ケアを知る七夜 第3夜 セカンドオピニオン・サードオピニオン外来

早期緩和ケアを知る七夜 第4夜 治療の意味・探索支援科

早期緩和ケアを知る七夜 第5夜 がん治療予防科・がん治療問題先取り科

「アクティブ緩和ケア」の提唱者で、時代に先駆けた活動を行っておられるがん治療医がん治療の虚実』の押川勝太郎先生が早期緩和ケアの内容をわかりやすく表現されています。

押川勝太郎先生による早期緩和ケアの内容説明

第六夜の今日は、「治療主治医不満対策科」です。

 

 

主治医・担当医とうまくいかないという場合

ひとくちに「主治医の先生とうまくいかなくて・・・」という場合も、さまざまなケースが考えられます。

① 担当医の時間不足でコミュニケーションの質・量が不足している

② 相性やコミュニケーションの問題等で、真意が伝わっていない

③ 誰がどう考えてもめぐり合わせが悪い

と大きくわけて、そのような3つのパターンが考えられます。

 

まず、現在の医学には限界があります。

それは予測や結果の不確定性です。

極論すれば、やってみないとわからない場合も頻繁にあります

また、ひとつの事象がさまざまな背景から生じていることもあり、一元的に原因を特定できない場合もありますし、診る人によってもそれぞれの視点や専門性から診断が変わることもよくあることです。

これらの事象を事前に知っておられる一般の方は少ないと思います。

ただその認識がないと、基本的には不信を抱きやすいものではありましょう。

そのような受ける側の医療に対する理解も、担当医への思いは影響するとは存じます。

それを前提で、先述した各タイプを考えてみましょう。

 

① 担当医の時間不足でコミュニケーションの質・量が不足している

意外に多いのがこのパターンです。

例えば、外来で、

「CEAが少しだけ高いけど・・・・・・まあ様子を見ましょう」

「先生、大丈夫なんですか?」

「・・・次回の結果も見て考えましょう」

というようなケース。

“様子を見ましょう”に至るまでにも、さまざまな思考過程がそこに働いています。

けれども、「結果メイン」の説明、「・・・・・・」という沈黙から、患者さんは「再発ってこと?」「もしかして相当やばいのに、先生は気を遣って言わないのでは・・・」などと考えてしまうのです。

 

なぜこのような端的な説明になるのかといえば、極論すれば「時間がないから」です。

外来で1時間を説明に(誰の邪魔も受けずに)費やして良いということであれば、「なぜそう考えるのか」を十分説明する時間があるでしょう。

けれども、外来でそこまでの時間を割くことは困難です。

それなので結論重視の説明になり、そこから不安が生じているということはしばしばあります。

 

② 相性やコミュニケーションの問題等で、真意が伝わっていない

相性も大切です。

もちろん私のような緩和ケアの専門家は、どんな患者さんでも公平に接することや、こちらから好き嫌いをしないように感情をマネジメントすることなどが板についています。

それでも、予想だにしないことで、医師が患者さんから拒絶されてしまうということもあります。

例えば、私の経験では、ある緩和医療医が微笑みながら小声で説明していたのをみて、ある患者さんが「なんだかあの先生は得体が知れず怖い」とお感じになり、しまいには「なにか変な薬剤などを盛られないか・・・」などと心配するに至る、というようなことまでありました。

どうにもその先生のことが怖く感じてしまったようなのですね。

 

コミュニケーションも、はたから見ているとおせっかいなくらいに世話を焼く関わりや説明を求めている方もいれば、できるだけそっとしておいてほしい、必要なときにだけさっと手を差し延べてほしい、という患者さんもいらっしゃいます。

もちろん熟達の緩和ケアの担い手は、相手に応じてやり方を変えますが、自分の個性というものもあり、どうしても患者さん側に快くない印象を与えてしまうこともあるでしょう。

嫌いな人のいうことはなかなか聞けない、というのは世の中をみていると良くあるようです。

残念ながら、お互い悪くないのに、嫌い合って不信になってしまっているケースもあります。

 

 

さて、上記は医学的におかしくない治療を行っており、説明も医師側の視点に立ってみればある程度了解できる範囲の場合です。

ただ、残念ながら次のようなケースもあります。

 

③ 誰がどう考えてもめぐり合わせが悪い ドクハラケース

どう考えても、今回患者さんはめぐり合わせが悪かったな・・・と感じざるをえないケースも中にはあります。

驚くような言動を体験したという患者さんもおられ、ドクハラという言葉に当てはまるようなケースもあるのは事実です。

日本の医療システムは優れていますが、特に入院主治医は完全に選べないことが多いため、めぐり合わせで厳しい経験を余儀なくされる方もいます。

大切なのは、③のように見えて、①や②であるケースを見逃さないことです。

そのためには、しっかりとした医学的判断ができる医師にサポートしてもらうことが有効でしょう。

早期緩和ケアをそのように使っておられる方もいますし、考えられるやり方の1つだと思います。

 

まとめ

人と人との関係ですから、すべてがぴったりということは少ないでしょう。

ただ担当医に対する愚痴や不満を緩和ケア外来でおっしゃりながら、治療を完遂される患者さんもおられることを見ると、定期的なガス抜きは重要なことだと感じます。

 

患者さんと医師の間には医療の背景知識の大きな差があるのが一般的でしょうし、その中で身体を預けねばならないことから、不満や疑念があってもなかなか言えない、あるいはどう伝えたらよいのかがわからない、ということはよくあることでしょう。

その対策に、患者会などのほかにも、緩和ケア外来が(実質的には)使えるということも、知っておいて良い情報だと考えます。

もっとも緩和ケア外来もいろいろなので、上述のような目的での受診が許可されないケースもあると思いますから、そのような際は当院のようなサービスの利用も検討されるのではないかと考えます。

繰り返しますが、必ずしも③のケースばかりではなく、①や②の場合もあります。

重要なのは、(それが必要なときもありますが)担当医の悪口を言ってスッとすることではなく、自身が良くなる選択をする、ということです。

病気を退けることが勝ちで、そのためには交渉で事案によっては譲るということもあるでしょう。

そのようなノウハウもお伝えできるのではないかと思います。

 

 

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About 大津 秀一

緩和医療専門医/緩和クリエーター。数千人の患者さんの緩和ケア、終末期医療に携わり、症状緩和のエキスパートとして活動している。著書や講演活動で、一般に向けて緩和ケアや終末期ケアについてわかりやすくお伝えすることをライフワークとしている。