リクエストを頂戴したので、三重県の緩和ケア情報を追加します。
岐阜に6年居住し、大学の先輩や同級生も三重や愛知の出身者が多かったです。
医学部の学生時代は長いですから、また岐阜市は愛知や三重に比較的近いこともあり、両県にはよく行く機会がありました。
その点では、全く土地勘がない県ではありません。
完全な余談ですが、ナガシマスパーランドにはよく行きまして、できたばかりのスチールドラゴン2000を友人と乗ったことなど懐かしいですね。
目次
三重県は医師数は少なく人口は中位
三重県は人口あたりの医師数は全国平均より少ないです。
ご覧いただけるとわかりますが、医師数は西高東低です。
東海地方も、全県医師数は平均割れしています。
それより以西は総じて医師数が多めであることを考えると、滋賀県や岐阜県、あるいは三重県もその分水嶺と言えますでしょう。
三重県は約180万人と全国では中位に位置する(22位)人口を擁しています。
人口あたりのホスピス・緩和ケア病棟数は多い
日本ホスピス緩和ケア協会の最新統計によると、
緩和ケア病棟入院料を取っている緩和ケア病棟・ホスピスは、全国に403施設、8197床あります(平成30年6月)。
現在人口は1億2649万人います。
1床がカバーしている人口は1億2649万÷8197で、15431人となります。
全国平均では、ホスピス・緩和ケア病棟がカバーする人口は1床で15431人となるのです。
三重で計算してみましょう。
三重の人口180万人を、三重県の緩和ケア病床数の154で割ってみます。
結果は、1床で11688人。
全国平均より多いベッド数です。
東海三県で比較すると、愛知が1床20967人と人口あたりのベッド数が少なく、岐阜は1床15462人とベッド数は全国平均とほぼ同じ。三重県は人口あたりのベッド数は多いことになります。
緩和ケア病棟で亡くなる人の割合は高い
「データでみるわが国の緩和ケアの現状」の2014年版がオンラインでも閲覧できます。
それによると、三重県は、緩和ケア病棟で死亡したがんの患者さんの割合が16.6と全国平均9.4%より多いです。全国的に見ても、多い割合です。愛知は12.5%、岐阜は8.0%と、緩和ケア病棟で亡くなる率が三重よりは低いです。
同統計で、がんの場合の自宅死亡割合(10.4%。全国は8.9%)は全国平均より高く、人口10万人対の在宅療養支援診療所は8.0(全国では10.1)とこれは全国平均よりやや少ないです。
なお、緩和ケア病棟やホスピスは、津と四日市、桑名に1施設ずつ、松阪は多く3施設、伊勢に1施設で、伊勢以南には存在しません。
緩和ケア外来はどうか?
「緩和ケア外来 三重」で検索すると、いくつかヒットします。
症状緩和目的の外来を併設していると読み取れる医療機関は、下記になります。
緩和ケア外来 – 三重県立総合医療センター
緩和ケア内科 – 鈴鹿中央総合病院|三重県厚生連
緩和ケア科|日本赤十字社 伊勢赤十字病院
市立伊勢総合病院 | 緩和ケア外来(※項目はあるのですが、担当医等記載無)
がん診療情報|独立行政法人 国立病院機構 三重中央医療センター|
津市 緩和ケア内科 消化器内科 訪問診療 津在宅ケア診療所
緩和医療科 済生会松阪総合病院 – 社会福祉法人 恩賜財団 済生会
(Googleで3ページ目まで検索。入院予約外来のみの緩和ケア外来、訪問診療のみのクリニックは除く)
緩和ケア外来に関しては、全般的に記載が少ない印象があります。
検索上位に、北勢地域(三重県の北部の地域)の緩和ケア提供機関の一覧が出て来ます。これも役に立つのではないかと思います。
北勢緩和ケアネットワーク | 参加医療機関紹介
大病院においても、緩和ケア外来の詳細な記載がない病院がいくつかあります。
また、三重県のがん診療連携拠点病院等の一覧は下記になります。
三重県はがん診療連携拠点病院は4箇所で、がん診療連携「準」拠点病院は3箇所です。
調べると、これらの7病院では、全て緩和ケア外来の存在が確認されました(※ただし記載が最小限な施設も複数あり)。
なお、緩和ケア外来がかかりつけ病院等にあるかどうかは、インターネットで「(病院名) 緩和ケア外来」と検索することで調べることができるでしょう。
また病院のホームページで、(多くの場合)診療科→緩和ケア、と読み進めることで見つけることができます。一覧にない場合は、先述したように「(病院名) 緩和ケア外来」で検索してみてください。
病院によっては診療サポート部門に位置づけられていることもありますので、くまなく見る必要があります。
まとめ
三重県は人口あたりの医師数は、少ないです。
緩和ケア病棟やホスピスは(人口あたりでは)多いです。
同病棟で最後の時間を過ごされる方も全国平均より多いです。
三重県においては、緩和ケア病棟やホスピスが、終末期がんにおいて力を発揮していることが透けて見えます。
がんの患者さんは在宅療養で最後まで生活される方は全国平均より多いです。在宅支援診療所はやや少ないです。
病院に関しては、緩和ケア外来は拠点病院と準拠点病院では全病院に存在します。
がんで病気が高度に進行した際は、在宅医のサポートを付けて、緩和ケア病棟に入院予約をするのがベスト(個人的意見)ですが、居住地によって、誰にどのように頼むかによって、様々なことが変化します。
当所でも療養場所の相談を受け付けています。
※追伸;三重県の医療従事者の方で、情報の追加や修正がある場合はぜひお声をお寄せください。
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