意外に多いが見逃されている手足症候群
手足症候群はいろいろな抗がん剤や分子標的薬での治療で起きる可能性があります。
これまでもブログで何回か紹介してきました。
TS-1でも頻度は20%台でけっして珍しくありません。
同じフッ化ピリミジン系でもゼローダだと(全グレードで)50%以上と頻度が多くなります。
アメブロ読者ののぼるさんが手指をアップしてくれました
実際に治療を受けておられるのぼるさんが、アメブロに手の様子をアップされていました。
指紋が薄くなって指先ツルッツルだし、特に爪との際が固くなって服の繊維や本のページに引っかかって痛い。皮がめくれて指先がボロボロ。服薬中にひどくなるなぁと思っていたら、これが手足症候群とゆーものだったのか…。ハンドクリームを塗って絆創膏を貼るだけで対処できていたので、あんまり気にしてなかったけどこれがそうか〜。知らなかった。…鈍感力?
確かに、なかなか言われてみないと、こんなものかなと思ってしまうこともあるでしょうね。
キナーゼ阻害薬やフッ化ピリミジン系の薬剤など、手足症候群を起こす薬はある程度決まっています。
各薬剤ごとの頻度は下記に詳しいです。
開始時に、そのような副作用があるかどうかを尋ねて、可能性がある場合は対策も併せて聞いておくのが良いでしょう。
また抗がん剤治療(含分子標的薬)を行っていて手指や足趾の症状が出るようならば、すぐに医療スタッフに相談するのが良いでしょうね。
なお対策も下記の参考文献をご覧になると良いと存じます。
保湿や刺激除去が重要となります。ステロイドの外用薬も使用されます。
手足の症状は生活の質(QOL)を下げる
手足の症状は生活の質に影響し、下げる可能性が十分にあります。
けれども、病気を治す、あるいはマネジメントするという観点から、それ自体が命には関わらない副作用であるため、軽く思われているケースが散見されます。
一方で上述したような対策もいろいろとありますので、しっかりと医療者と相談することが大切です。
担当医にお伝えして、皮膚科を紹介してもらうという手段もあるでしょう。
あるいは医師以外のスタッフにお伝えして、ケアの方法を尋ねてみるのも良いでしょう。
全般的にはこのような、時に軽視されてしまいがちな種類の副作用に関しては、早期からの緩和ケア外来に通っていると相談しやすい事柄だとは思います。
患者さんや医師にとって重要度が高いことが他にもいろいろとあるので、担当医の通常外来では抜け落ちてしまったり、話せなかったり、ということがしばしば起こるからです。
副作用の持続や増悪は、心身のストレスとなり、治療に影響しかねません。
しっかりとケアの側面を充実させ、手足症候群も含めて、継続的にできる対策を行ってゆくことが肝要です。
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