抗がん剤治療副作用の手足の症状 手足症候群
抗がん剤治療の副作用で、手足の症状が起こることがあります。
キナーゼ阻害剤やフッ化ピリミジン系薬剤で起こる手足症候群が知られていますね。
参考;STI_HFSポケットガイド_中201407.indd(P2~)
先日、精巣腫瘍で加療中のNosukeさんも手足症候群だとブログで記されていました。
手足症候群と末梢神経障害の違い
手足症候群も末梢神経障害も、異常感覚が前景に立つことがあるので、しばしば混同が起こります。
手足症候群の初期症状として、ちくちく・ひりひりといった手足の皮膚の違和感が起こるので、末梢神経障害との鑑別が問題になる場合があります。
上記参考記事にも、”「ボタンがかけにくくなりましたか?」「歩いていてつまずいたりしないですか?」など、日常生活面での変化をモニタリングすることが、末梢神経障害の症状悪化を測ることができる。それに対して、手足症候群の評価は投与前からの患者の皮膚症状をモニタリングすることが大切”とあります。
精巣腫瘍で使用されるブレオマイシンにはレイノーもある
レイノー現象とは、血管れん縮による手指などの皮膚の色調変化で、両手指が対称的に痛み、しびれ感とともに蒼白、あるいはチアノーゼなどの色調変化を来します。
精巣腫瘍で行われるBEP療法(ブレオマイシン・エトポシド・シスプラチン)では、20%以上認められるとされています。
参考;精巣腫瘍に対する治療の長期合併症はどのようなものがあるか?
レイノーも手指に痛みを来す病態です。
BEP療法の場合は、上記参考文献によれば、末梢神経障害に関しても「四肢のしびれ感、ピリピリ感は 4 クール終了後で約20%にみられ、症状は3カ月から増加して6カ月で最大になり、その後は軽快するものの2年後でも22%は残る」とあり、こちらも相応の頻度があります。
まとめ 抗がん剤の副作用の手足の症状
ひと口に抗がん剤治療の副作用の手足の症状と言っても、手足症候群と末梢神経障害、レイノーなど鑑別が必要な複数の病態があり、ある抗がん剤はこれを出しやすいなどが概ねわかっています。
それらの知識や対応に習熟した抗がん剤治療のスタッフや、化学療法に詳しい早期緩和ケア担当者の関与が大切でしょう。十分な説明を受け、セルフマネジメントの方法を知ることも重要です。
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