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東京は一番緩和ケア医が多い
緩和ケア・緩和医療の資格は専門医・認定医・暫定指導医がいます。
名簿は下記のリンク先に掲載されています。
暫定指導医は専門医を養成するための仕組み(試験なし)だったので、数年内に資格がなくなります(2019年現在)。
今後は専門医と認定医だけになります。
専門医のほうが、なる条件が厳しいので、数は少ないです。
これらの資格を持つ医師も東京が一番多いです。
専門資格は臨床能力を必ずしも保証しない
これらの資格は、ある程度の期間の緩和ケア従事や論文発表がなければ取得できないので、一定の期間緩和ケアに取り組んでいることは保証されます。
ただ、このホームページ等で何度か紹介しておりますように、臨床能力は必ずしも資格とリンクしているわけではありません。
資格を持つ医師を選べば、確率は高まりますが、主観的な満足度が関係する緩和ケア領域においては、医師との「相性」などの総合的な要素が関係してきます。
もちろん私自身は専門家なので、各々がどのような特性や個性をお持ちかは理解しているので、それに合致した方を紹介しやすいのは事実です。
けれども当然知識が及ばない地域もありますし、一般の方はそれこそ前情報なしで選択しなければいけません。
骨が折れるかもしれませんが、自分に合った医師を探すのを厭わないことが重要でしょう。
ただし、もし同じ領域の専門家を4、5人回っても満足できる医師に出会えないという場合は、スタンスの見直しも必要かもしれません。
全てに合致する医師はおらず、自分にとって譲れないこと以外は、ある程度妥協することが大切です。
これは私自身も患者の経験があるため、その見地からお伝えしています。
年代によって緩和ケア医の特徴も差がある
2019年現在、ちょうど40代前半の私くらいまでは、緩和ケアの専門カリキュラムが大学などに存在しなかったです。
それより年長の「緩和ケアを実践している」と表現している医師は、私のように、自分で緩和ケアを学ぶあるいはどこかで学んで、緩和ケア医になっています。
2019年現在の30代中盤以下には、緩和ケアの専門カリキュラムを経て、緩和ケア医になっている医師がいます。
そしてそれぞれによって違いがあります(※良し悪しの比較ではありません)。
熱いスピリットが息づく熟練医師
私より年長の医師は、道がない中を、何とか患者さんに苦痛が少ない時間をと願い、自らのキャリアを変えて緩和ケアの道に飛び込んだ医師たちです。
それなので、熱い想いは人一倍です。
また、経験の量が多く、熟練の域にあります。
一方で、批判ではありませんが、抗がん剤治療が未発達(苦痛が多く、延命は少なく、副作用対策も不十分)な時代に病院で働いていたことが多いため、現在のがん治療の標準からすると、少しネガティブながん治療観を持っていらっしゃる医師もいることや、全体的に強い個性を持っていらっしゃる存在も多いため「合う合わないがはっきりある」ことなどが特徴と言えるでしょう(もちろん医師ごとに違いはありますが)。
私が行っているような早期緩和ケアは「がん治療の副作用対策」「がん治療にまつわる疑問や不安の解消」も含み、がん治療と緩和ケアを統合させることを目的としており、その点で早期緩和ケアというのは単に早くから旧来の緩和ケアを行うだけというものでもないため、その点では注意が必要です。
他にも、メチルフェニデートやケタミン、三環系抗うつ薬など、他の原因での規制等や新薬の出現によって今では使われることのなくなった(あるいは少なくなった)緩和ケア薬の使い方も知っていることや、助からない事例にフルに延命措置をした場合の悲しい最後のリアルを知っていることなど、今では経験できないことを知っているという利点もあります。
いわば、緩和ケアをしていない場合の悲劇を、身をもって知っている世代です。
がん治療や内科もよく学んで来ている若手医師
大学病院などでの緩和ケアのカリキュラムができてからは、緩和ケア医になるために必要な要素を学んで緩和ケア医になれるようになりました。
それなので、本来緩和ケア医に必要な抗がん剤などのがん治療の知識や、内科的な全身管理についてもしっかりと学んで、緩和ケア医になります。
緩和ケア医に必要な要素をマスターして緩和ケア医になれるのは利点です。
そしてまた、コミュニケーションに関しても、学生時代から徹底的に学ぶので、全般的に当たりが柔らかで、どんな患者さんであっても一定以上の対応ができる医師が多い印象があります。
もちろん経験は年長医師に比べれば、これから積んでいくというところでしょう。
また強烈な個性を持っているということは、合った時は120点になる(逆もある)ということですが、そのような強烈な個性はそれほどない側面も若手ゆえの状況かもしれません。
このように年代ごとの特徴はあり、経験は当然年長医師、時代を切り拓いてきた思いやバイタリティは年長医師の特徴であり、がん治療や内科治療など緩和ケア医に望ましい要素を勉強してきているのが若手医師と言えましょう。
私はちょうど端境期、あるいは年長医師の最後の世代ですが、最新のがん治療にも詳しい点(したがって本当の早期緩和ケアを提供可能な点)はハイブリッドな特徴だと考えております。
大学病院時代は紹介先に相性も加味していた
引っ張っていってもらいたい方には、強い個性の熱意あふれる医師を。
不安が多い方には、優しく継続的に寄り添ってくれる医師を。
このように、患者さんと医師は合う合わないがあります。
前職では、それを加味して患者さんを紹介していました。
医師の強い主義や主張が患者さんと合わないと、お互いにとって不幸なことがあります。
例えば、鎮静を絶対しないという医師がいますが、身の置き所がない苦しみはできるだけ避けたいので適応があれば早めに鎮静をしてほしいという患者さんとだと、相性は悪いですし、お互いにとって不幸となりえます。
そしてまた、人の最後というのはけっして楽観視はできないものであり、どんな名医にとっても試される状況です。苦痛緩和の技術は当然のごとく、しっかり持っている必要があります。
その上で、提供できるものと、希望されるものが合致しているということが重要なのです。
もちろん、専門医や認定医のリストを見れば、緩和ケアの経験がある医師かどうかはわかります。
けれどもそれらを取得していない名医もいます。
専門家を知るのも専門家。そして臨床能力はなかなか専門家でも見えません。しかし専門家のほうがもちろん知っているとは言えましょう。
状態が悪くなった際に、どの専門家に委ねるのか。
早期緩和ケア外来ではそのような相談にも乗っています。
運次第に任せることなく、ぜひご相談頂ければと思います。
そしてまた、患者さんを診ることに秀でた緩和ケア医の情報は常時収集しているので、ぜひ自薦・他薦を問わずにお教え頂ければ幸いです(※もちろん一般の皆さんからのご情報も募集しています)。
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