緩和ケアは生きるためのケア
緩和ケアはより良く生きるためのケアです。
さらに最近では、より早く緩和ケアを受けることが、命の長さをも改善することが示唆されています。
診断時からの早期緩和ケア定期受診で1年生存率が向上する【遠隔相談で】
WHO(世界保健機関)の定義でも、生活の質を向上させるアプローチであるとされており、より良く生きるためのケアに他なりません。
しかし、緩和ケアが末期の場から育ったことが、皮肉な状況を招いています。
一番利用すべき人がしない
緩和ケア=末期という未だに社会を覆っている誤解があります。
進行がんの患者さんが、末期だと見放されることを恐れ、緩和ケアを受けることを遅らせる状況が認められます。
皮肉にも、進行が目立つ患者さんこそ、末期という思いを遠ざけたいと、緩和ケアを厭う傾向すら見られます。
基本的に、進行がんの患者さんは、いつ受診しても早すぎるということはありません。
ましてや、抗がん剤治療がセカンドライン以降となっているようなケースや、再発・転移があるようなケースでは、ど真ん中の適応です。
緩和ケアを末期だと思って、避けることが、命の長さも増やすかもしれない緩和ケアの恩恵を受けられなくしてしまうという、これまた皮肉な結果を招いています。
生きたいと思っていらっしゃる方は多いはずなのに、なぜか緩和ケアを受けないのです。
まだまだ知られていないという状況もあることはありますが、受け身の姿勢だと正しい情報も入って来にくいです。
またご高齢の方も多い病気なので、それもまた新しい情報の摂取を妨げてしまっているところもあるかもしれません。
強い治療はあまり望まない、穏やかに時間を……とおっしゃるご高齢の方も多いのですが、なぜか早期から緩和ケアを受けているとあまり聞きません。そのような思いを叶えるためにも、緩和ケアは重要なはずなのですが……。
情報の発信側にも、受信側にも、より努力が必要なところなのだと考えます。
緩和ケアは生きるため
もちろん緩和ケアの中には、穏やかに最期を迎えることも含みます。
緩和ケアの担い手にかかっていれば、相対的にはその点は安心です。
ただ最期までの時間を穏やかに、ということも、考え方によっては「その時間をより良く生きるために」とも解することができるでしょう。
早期からの緩和ケアにおいては、苦痛症状を和らげ、不安を軽減することによって、生活の質を向上させ、うつを防ぎ、生存期間の延長や、入院の減少及びそれに伴う費用の縮減等を目指します。
まとめて言えば、「生きるため」「より良く生きるため」に緩和ケアはあります。
すなわち、一部で勘違いされている、死ぬための医療ではなく、生きるための医療でありケアであるのが、緩和ケアであり、早期緩和ケアです。
より良く生きるために早期から緩和ケアを使って頂くことが、もっと生きたいと願われている方にとっても、目指すものと手段が一致するということになります。
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