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DA-EPOCH-RとR-CHOPの読み方
DA-EPOCH-RとR-CHOPの読み方について説明します。
前者はディーエーエポックアール、後者はアールチョップと言います。
上記は、悪性リンパ腫の中の、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療の名前です。
元フジテレビアナウンサーの笠井信輔さんが罹患されて、話題になっています。
抗がん剤治療は、抗がん剤の頭文字を組み合わせて、◯◯療法などと呼ばれます。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫で最も有名なのはR-CHOP療法です。
R-CHOP療法の内容は?
R-CHOPはリツキシマブ(R:Rituximab)、シクロホスファミド(C:Cyclophosphamide)、ドキソルビシン塩酸塩(H:Doxorubicin Hydrochloride)、ビンクリスチン(O:Oncovin)、プレドニゾロン(P:Prednisolone)の組み合わせが有名で2日間の治療です。
副作用としては脱毛、吐き気、便秘、発熱性好中球減少症、倦怠感、食欲低下、末梢神経障害(しびれ)などが挙げられます。
DA-EPOCH-R療法の内容は?
DA-EPOCH-Rは用量調節(DA)を行うエトポシド(E)、プレドニゾロン(P)、ビンクリスチン(O)、シクロフォスファミド(C)、ドキソルビシン(H)、リツキシマブ(R)という組み合わせです。
原発性縦隔B細胞リンパ腫や高リスクな事例などで使用されています。こちらは複数の抗がん剤の96時間連続の点滴が必要となるなど、R-CHOPとは異なります。
DA-EPOCH-Rのほうが使用する抗がん剤の種類が一剤多く、骨髄抑制や倦怠感、口内炎や感染症などの発症リスクが高いです。そのため、一般にはR-CHOPよりは負担はかかり、実際闘病ブロク等でその体験を語っておられる方もいます。
一般的なびまん性大細胞型B細胞リンパ腫での標準治療は?
R-CHOPとDA-EPOCH-Rの比較試験が行われましたが、2019年に結果が発表され、DA-EPOCH-RはR-CHOPに対して優位性を示すことが出来ませんでした。
・日本語での解説→DLBCLの初回治療はDA-EPOCH-Rか、R-CHOPか:CALGB 50303試験
そのためびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の標準治療はR-CHOPのままです。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の抗がん剤治療と緩和ケア
どの治療を行うにしても抗がん剤治療の副作用の緩和も必要となりますし、診断時からの緩和ケアを受けることが勧められるでしょう。特に副作用が強い傾向の治療に関しては、しっかりと抗がん剤の副作用の緩和も含めた緩和ケアを受けることが重要です。