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緩和ケアのセカンドオピニオン(がん)を行う病院と料金・費用について調べてみました

Googleで「緩和ケア セカンドオピニオン」と入力して調べてみます。

そうすると、2018年6月13日現在、緩和ケア科が独立したセカンドオピニオンを行っていると緩和ケア科固有のページで表示しているケースはほとんど出てきません。

セカンドオピニオンは一般に、治療に関することが中心ですから、これまであまり「緩和の」セカンドオピニオンはありませんでした。それが背景として存在します。

Google検索の最初に出てくるのが、国立がん研究センター中央病院の緩和医療科のセカンドオピニオンです。

“緩和医療のセカンドオピニオンとして「セカンドオピニオン(がん相談対話外来・病理相談外来)」(予約制)を設けています。(セカンドオピニオン(がん相談対話外来・病理相談外来))”

と明記されていますね。

診療について | 国立がん研究センター 中央病院

緩和医療に特化したセカンドオピニオンの存在を示している内容ですね。

検索の2番目と3番目に出てくるのが、

大学病院での緩和ケア科の外来(筆者・大津秀一の外来)がセカンドオピニオン外来的になっていることに関しての連載記事です。

セカンドオピニオンから見える患者の悩み : yomiDr. / ヨミドクター

セカンドオピニオンで今後の見通しを立てる : yomiDr. / ヨミドクター

なお、少数ですがたまに希望があり、他院からのセカンドオピニオン(緩和ケアに関して)も受けておりました。

Google検索の数ページをざっと見ましたが、緩和ケア科はがん部門と関連していることが多く、がん部門はセカンドオピニオンをやっていることが多いですから、「緩和ケア セカンドオピニオン」と検索するとたくさんヒットするのですが、緩和ケアに特化したセカンドオピニオン外来を表示しているのは国立がん研究センター中央病院など少数のようですね(少なくとも明記しているのは)。

湘南鎌倉総合病院のように、緩和医療の内容に関してもセカンドオピニオンを受け付けていると記してある病院もいくつかありました。

オンコロジーセンター | 医療法人 沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院

そのような状況で、緩和ケアに特化したセカンドオピニオン外来はまだ少ないようです。

現在国策で緩和ケアの普及が謳われていますので、緩和ケアをしている医療者自体は増えています。

ただもちろん、難しいケースには経験と知識が必要で、やりようによってさらに改善するケースがあります

緩和ケアに特化したセカンドオピニオン外来は早期緩和ケア大津秀一クリニック でも行います。

 

各病院のセカンドオピニオンの料金・費用を調べてみた

セカンドオピニオンは保険診療外ですから、費用の設定は病院ごとに異なります

「セカンドオピニオン 料金」「セカンドオピニオン 費用」と検索すると様々な病院のセカンドオピニオン外来とその料金・費用を示しているページが見つかります。

検索の1番目に「セカンドオピニオン.com」というサイトがヒットし、すべての料金をまとめているのか!? と期待させるのですが、各病院ごとの料金比較はないようです(2018年6月13日現在)。残念です。

端的に「セカンドオピニオン」と入力すると、

国立がん研究センター中央病院……ではなく、

国立がん研究センター中央病院が運営するがん情報サービスのセカンドオピニオンに関する一般的情報のページが一番上に表示されます。

セカンドオピニオンを活用する|がんになったら手にとるガイド

つまり、国立がん研究センター中央病院のセカンドオピニオン外来そのもののページではありません。

セカンドオピニオン外来そのものページで、検索トップだったのはどこだったでしょうか?

皆さんはわかりますか?

……さすがですね。

慶應大学病院

です(※追記 ところが、その時々で虎の門病院と入れ替わるようです)。

セカンドオピニオン外来のご案内 | 来院・入院の方 | 慶應義塾大学病院

【費用】

30分まで    21,600円(消費税込み)

30分超45分まで 32,400円(消費税込み)

45分超60分まで 43,200円(消費税込み)

 

数多の病院を退けての検索実質1位(2018年6月13日午前中確認)に、ブランドの強さが透けて見えます。

以下このような順番になっています。

 

  • 虎の門病院

セカンドオピニオン希望の方|来院される方へ|虎の門病院

【費用】

30分21,600円、30分超45分まで32,400円、45分超60分まで43,200円、60分を超える場合は15分毎に10,800円(消費税込)加算

 

  • 国立成育医療センター

セカンドオピニオン外来のご案内 | 国立成育医療研究センター

【費用】

60分 21,600円、75分 27,000円、90分 32,400円

 

  • 国立がん研究センター 東病院

セカンドオピニオン | 国立がん研究センター 東病院

【費用】

30分以内 21,600円(税込)、30分を超える場合 15分毎に加算(延長は最大90分まで)+10,800円(税込)

 

  • 大分県立病院

セカンドオピニオン|来院される方へ|大分県立病院

【費用】

1件30分まで10,800円、以降30分ごとに5,400円が追加

 

  • 順天堂医院

セカンドオピニオン|医療サービス支援センター|順天堂医院

【費用】

30分を限度 教授:32,400円(税込) 先任准教授:27,000円(税込) 准教授・講師:21,600円(税込)

<筆者コメント>職位によって異なるのはすごい!

 

以上がGoogle検索の「セカンドオピニオン」1ページ目の結果です。

あれ……?

そう思われた方もいるかもしれません。

そうなのです、国立がん研究センター中央病院のセカンドオピニオン外来が出てきていないですね。

なんと3ページ目までにも出てこないです。

改めて病院名とセカンドオピニオンを打ち込んで調べるとありました。

 

  • 国立がん研究センター中央病院

セカンドオピニオン | 国立がん研究センター 中央病院

【費用】

43,200円(税込)<最大1時間まで>

 

他に有名病院ということで下記も調べてみました。

 

  • 東大病院

セカンドオピニオン | 東京大学医学部附属病院

【費用】

30分単位21,600円。30分超60分まで43,200円(最長60分)

 

  • 東京慈恵会医科大学附属病院(本院)

セカンドオピニオン外来のご案内|東京慈恵会医科大学附属病院(本院)

【費用】

30分以内 : 21,600円 、 30分以上60分まで : 43,200円

 

  • 聖路加病院

セカンドオピニオン – 外来受診案内 – 受診案内 – 聖路加国際病院

【費用】

30分間で21,600円(税込)。30分を超える場合、30分毎に10,800円(税込)が加算。

聖路加病院も緩和ケア科のセカンドオピニオンがあるようですね。

 

また病院以外でもがんの専門家が行っているセカンドオピニオン外来がありますね。

  • 東京オンコロジーセンター

東京オンコロジーセンター: 大場大 がん専門セカンド・オピニオン外来

【費用】

30分まで 24,000円 (税込)、45分まで 32,000円 (税込)、60分まで 40,000円 (税込)

※相談内容には緩和ケアも表示されています。

 

以上となります。

セカンドオピニオン自体はしている病院が多いです。

東京都内だとだいたい、

30分21,600円、60分43,200円がこれらの有名病院ではかかるようです。

 

セカンドオピニオンの注意点

注意点はいろいろあります(また紹介することもあるかもしれません)が、今回は緩和ケア的な観点から述べます。

病院のセカンドオピニオンは、同じ病気でも担当者が違うことがあるようです。

それなので、担当者によっても当たり外れがあるというような感想は患者さんから伺うことが何度もありました。

もちろん医学的な内容を求めて行くことで、その内容が全てといえば全てなのですが、話し方や姿勢に傷ついたというようなケースも聞きます。

医学的な助言に費用を支払うことになりますので、接遇やサービスにお金を払うわけではないのは事実ですが、あまり許容できないレベルのやり取りだと患者さんやご家族の精神的負担も増えてしまいますよね。

実際、その後の精神的なつらさを緩和することが必要だったケースもありました。

安くない費用がかかりますから、僅かでも人として納得できる姿勢で……、と仰っていた患者さんもいらっしゃいました。

確かに医学的な助言を求めてゆくものなのですが、必要以上に落胆したり不安になったりするようでも、つらいことですよね。

患者さんやご家族側としては、あくまで一般のセカンドオピニオン外来は、医学的な専門的助言を聞くこと、と前もって十分覚悟して行かれるのが良いと思います。

緩和ケア科が緩和ケアのセカンドオピニオンを行っている医療施設ならば、緩和ケアに関しては緩和ケア医が対応すると思いますので、心的な負担に関してはあまりご心配はいらないと思います。

 

以上、セカンドオピニオン(特にがんの観点から)についてまとめてみました。

ご参考になれば幸いです。

緩和ケアセカンドオピニオン外来 早期からの緩和ケア相談 大津秀一

 

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About 大津 秀一

緩和医療専門医/緩和クリエーター。数千人の患者さんの緩和ケア、終末期医療に携わり、症状緩和のエキスパートとして活動している。著書や講演活動で、一般に向けて緩和ケアや終末期ケアについてわかりやすくお伝えすることをライフワークとしている。