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年末年始の家族会議・人生会議に向けて

行政は少し前に、終末期を「人生の最終段階」に言い換えることを決定しました。

将来に向けて人生の最終段階等における医療・ケアについて、繰り返しよく話し合う取り組みであるACP(アドバンス・ケア・プランニング)は、「人生会議」と呼ぶことが先般決まったそうです。

このブログをご覧のような皆さまは、医療や介護に関して意識が高い方が多いと存じます。

年末年始は家族が一堂に会する貴重な機会です。

私も常々、このような機会を大切にし、ご家族といざという時の話をして頂くのが良いとお勧めしています。

特に年長の親御さんとはよく話し合ったほうが良いです。

とかく、大病になるのは突然です。

また、意思表示ができなくなる病気に急に罹患することもあります。

先々のことを考えると、盆暮れ正月は有事を話し合う極めて重要な機会です。

しかしなかなかこの時期に突っ込んだ話をすることは容易なことではありません。

例えば、三世代以上が集まって、それどころではなく日が過ぎてゆくこともあるでしょう。

またせっかくの機会に、水を差すような「有事の話」をしたくない、縁起でもない、というむきもあるかもしれません。

こうして何年も過ぎてしまって、最後までまとまった話ができていないというケースは少なくないでしょう。

 

話す気満々に待ち構える落とし穴

しかし、熱心な方に認められるのですが、いきなりこのような話を切り出して、一笑に付されたり、親が怒ったり、不安がったり、感情的な動揺を互いに引き起こすケースがあります。

そんな中、良いタイミングで下の記事が出ていました。

相続の話をするのは本当に年末年始が絶好の機会?

相続の話ですが、延命治療等の有事の際に関する話をする場合にも役立つ記事だと思うので、読まれると良いでしょう。

親族や姻族が集まる年末年始は必ずしも相続の話をするのに適していない、慎重に、という記事です。

しかも、日本人らしいと言えば日本人らしいですが、いきなりそういう話をすることは望ましくない、と言っています。

相続税や遺産分割の話というのは、結局は子どもが自分自身の心配をしているということなのです。これでは親は、自分の心配をしてくれていないと思ってしまいます。

(略)

特に子どもが家を離れて暮らすと、親は昔のことを思い出すことが多くなります。離れてしまったからこそ、近づくことが大切です。まずは子どもから、自分の小さかった頃の思い出話をするところからです。きっと笑顔で色々な話をしてくれます。親にしてみれば自分の子どもは何歳になってもかわいい子どもなのです。ひと通り話が出たら、次にその前、つまり先代の話も聞きましょう。自然と代々どうやって受け継がれてきたかといった話になっていきます。

(略)

相続の本題に入る前に、まずは、子どもが親のことを第一に考えることが大切です。心配事がある親は自分のことが優先ですから、その後の相続のことなどは考えられません。健康のことはもちろんのこと、お父さんが亡くなった後のお母さんの生活のこと、何かやっておきたいことが無いか、それを一緒に手伝えないかなど、色々な心配事や希望を聞いてみて下さい。親は高齢になるほど、なかなか自分からは動かないものです。やっぱり頼れるのは自分の子どもだと実感するようです。

なるほど、という内容ですね。

これは相続に限らず、ACPのような繊細な内容を話し合う際にも良いやり方でしょう。

確かに、「話し合いたい」のは、しばしば子供目線。

親がそれを求めているかは、わかりません。

それよりも、昔のことやこれまでのことを良く話してもらう中に、人生観や死生観がにじみ出て、有事の話になるかもしれません。

そのような意味では、「絶対話すぞ」と気負うよりも、「家族のこれまで、これから」あるいは、「自分が生まれる前の親や家族の物語」を尋ねることに徹したほうが、大切な情報を共有できるかもしれません。

なかなか難しいものです。

大切なのは結果ではなく、プロセスです。

これは最後まで、そうです。

とにかくたくさん話してみること、話すように工夫すること。

それを心がけるのが年末年始において大切なことと言えるのではないでしょうか。

 

 

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About 大津 秀一

緩和医療専門医/緩和クリエーター。数千人の患者さんの緩和ケア、終末期医療に携わり、症状緩和のエキスパートとして活動している。著書や講演活動で、一般に向けて緩和ケアや終末期ケアについてわかりやすくお伝えすることをライフワークとしている。